【ビジネスマナー】「上座・下座」図解完全マニュアル -席次の基本-
席次はビジネスマナーの基本ですが、上座・下座は場面によって判断が難しいこともしばしばあります。ここでは席次の悩みや問題を解決します。
1 上座・下座とは
席次には「上座」と「下座」があります。「上座」とは、一番目上の方や年長の方が座る席のこと。出入り口から一番遠い席とされています。一方「下座」とは、一般的には、出入り口から一番近い席のことを指します。
日本独特の文化といえるもので、入り口から遠い「落ち着いて過ごせる場所」に目上の方をお通しするというおもてなしの心が、席次ルールの基本です。
2 基本の3つのルール
ルール1 基本は出入口から遠い席が上座、近い席が下座
目上の人やお客さまには「奥の席にどうぞ」と声をかけ「上座」を案内し、自分は「下座」に座ります。
ルール2 着席順は役職の高いほうから
上座に座る順番について、基本は下記の順で見ていきます。
①役職 最も優先されるのは役職
②社歴 同じ役職の場合は社歴の長いほうが上座
③年齢 役職・社歴も同じ場合は年齢で判断
ルール3 入り口が2つある場合は落ち着ける席が上座
「落ち着いて過ごせる場所」に目上の方をお通しするというおもてなしの心が基本です。
3 場所別席次(上座・下座)
■「会議室」の場合
一般的には出入り口から最も遠い席が議長席となります。議長に近いほど上座となり、議長から遠くなるにつれて下座となります。議長から見て右側の一番近い席が上座となり、続いて左側の一番近い席、その後は順に右、左と続いていきます。
■「個室」(応接室)の場合
部屋の出入り口から遠い席が「上座」となります。複数人で座るような長ソファ(良い席)は、原則として出入口から遠い側に設置されています。長ソファに片側3名以上で座る場合は、中央の席が「上座」となる場合もあります。
また、自社の人間だけの場合は下図の通りです。
■「タクシー」「自家用車」の場合
タクシーの場合、運転席の後ろが「上座」、助手席が「下座」になります。後部座席に3人座る場合は真ん中の席が「下座」です。
「社用車」や「自家用車」で出かける場合は、2パターンの席次が存在します。
■「エレベーター」の場合
乗り降りしやすい中央の奥が上座で、操作ボタンの前やドアの近くが下座になります。下座に位置する人間は他の方の乗り降りを誘導するため最初に乗り込み、最後に降ります。
■「電車(新幹線)」の場合
原則として窓側が上座、通路側が下座です。
■「お座敷(料亭などの和室)」の場合
1番の上座は床の間の正面で、次が床脇棚の前となります。庭園など美しい景色が広がっているような場合は、景色がよく見える座席を上座にする場合も多いです。
■「レストラン(洋食)」の場合
出入り口から最も遠い席が上座となります。
■「カウンター席」や「円卓」の場合
お寿司屋やバーなどのカウンター席の場合、基本的には出入口から離れた席が上座です。しかし、板前さんやバーテンダーと会話がしやすい場所が上座とされることが多いです。
マナーはありますが、席次は「もてなす心」が「基本」となっています。
「本来はこちらが上座ですが…」という言葉を添えて、臨機応変に状況に応じて、より良い席にご案内することが大事です。
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